「ライオンさん、聞いてください。
  わたしがさっき、木の下にいたらとつぜんものすごい音がして、地面が
  こわれ始めたのです。」

こんなところでゆっくりしていられないとウサギはまた走り出そうとしました。

 「それで君は、確かにそれを見たのだね?」
 「いいえ、そんなおそろしいこと、見てられませんよ。
  ふり向きもしないで、むちゅうで逃げてきたんです。」