シッダールタ王子がもの思いにばかりふけっているので王様はたいへん心配しました。
そこで王様は、王子にお嫁(よめ)さんをもらう事にしました。
一族(いちぞく)の中から、やさしくて、かしこく、美しさにあふれた娘(むすめ)が選ばれました。
お妃(きさき)の名はヤショーダラーといいました。
王様は2人のために宮殿(きゅうでん)の高い塔(とう)の部屋を用意しました。そこには、すばらしい飾(かざ)りや家具(かぐ)があり、たくさんのご馳走(ちそう)や、歌や、踊(おど)りや音楽が用意してありました。
シッダールタ王子とヤショーダラー妃は、とても仲(なか)がよく、二人は夢(ゆめ)のような暮(く)らしをしました。
ひとびとは、よろこびに満ちていました。
しかし、やがてシッダールタ王子は、「このようなすばらしい生活は、いつまでも続くのだろうか。また、自分たちだけがこんな暮らしをしていてよいのだろうか。それに、これが、ほんとうの幸(しあわ)せというものだろうか。」と考えるようになりました。