白鳥たちは、カメにひろってきた棒きれのまん中をくわえさせ、
じぶんたちは棒きれのはしをそれぞれくわえます。
やがて強い風がふいてきました。
白鳥 たちが、つばさをいっぱいひろげたとき、
カメと白鳥たちは、空たかくまいあがりました。

カメははじめて空をとぶよろこびで、おもわず声をあげそうになります。
でも、白鳥たちとのやくそくをおもいだし、ぐっと声をのみこみました。
 「あぶない、あぶない、もうちょっとで口をひらくところだった。」
カメは心のなかでそっとつぶやくのでした。