三人の娘たちがシッダールタに退(しりぞ)けられるのを見た魔王(まおう)は今度は、悪魔(あくま)の大群(たいぐん)をシダールタの元に向かわせました。
大地を覆(おおい)い尽(つ)くすかのような大軍団がシダールタを取り囲み恐ろしい攻撃(こうげき)を加えました。
しかし火のついた矢を放っても、シダールタの体が燃えることはありませんでした。また、鋭(するど)い剣や槍(やり)でついてもシッダールタの体には傷ひとつ、けることはできませんでした。
悪魔たちのどんな攻撃を受けてもシッダールタは、まったく平気で悠然(ゆうぜん)と座っていました。
真理(しんり)の目を開こうとしているシッダールタにとっては悪魔の力はもはや幻(まぼろし)に過ぎなかったのです。