しかし、シダールタは彼女たちがいくら誘惑(ゆうわく)しようとしても、まったく動(どう)じませんでした。そして、静かに、でも力強く言いました。 「いかに、美しく飾(かざ)ろうとも、私は惑(まど)わされることはない。おまえたちの正体(しょうたい)は、まるで汚(きたな)い雑草(ざっそう)のようだ。腐(くさ)ったものが積(つ)もった便所(べんじょ)のようだ。」 その言葉とともに、激(はげ)しい風が吹いてきたかとおもうと、三人の娘(むすめ)は吹き飛ばされてどこかにいなくなってしまいました。