宮殿(きゅうでん)に戻(もど)ったシッダールタ王子は、さっそく父王(ちちおう)に出家(しゅっけ)することを許(ゆる)してもらおうと、話してみました。しかし、父王はお許しになるはずもありませんでした。
 仕方なく、王子は自分の部屋に戻りました。
 真夜中(まよなか)に目が覚(さめ)めると、宮殿の侍女(じじょ)たちはみんな、毎日の酒盛(さかも)りに疲(つか)れて、だらしないすがたで眠(ねむ)りこけていました。
 王子は今こそ出家のときだと考えました。

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