またある日、シッダールタ王子が西の門から出ると、今度は悲しみに泣き叫(さけ)んでいるお葬式(そうしき)の人たちの列に出会いました。
死んだばかりの人は、もはや動くことはなく、まるで石のようにつめたく、かたくなっていました。
「あれはなんだ?」王子はお供(とも)のものにたずねました。
「あれは、死人(しにん)でございます。人として生まれたものはみんな、いつかは寿命(じゅみょう)が尽(つ)きて、死んでしまうのです。」
王子は、自分もいつかはあのような姿になるのかと思うと、いよいよ不安な気持ちが高まって、宮殿(きゅうでん)の中に引き返しました。