王子は、大きな木のしたで、もの思いにふけることがおおくなりました。 どうしたら争(あらそ)いがなくなるだろうか。生きものはなぜ生きて、なぜ死ななければならないのだろうか、という事を真剣(しんけん)に考えるようになりました。 ふしぎな事に、王子が木の下でもの思いにふけっている間は太陽がどんなに動いても、王子のまわりには常(つね)に木の影(かげ)ができて暑さをさえぎっているのでした。