猿(さる)の王様には500ぴきのなかまの猿がいました。食べるものが少なくなり、おなかをへらした猿たちは人間の王様のくだもの畑をあらしました。くだもの畑の役人たちはおこって猿たちをとりかこみました。
猿の王様はなかまを谷の向こうに逃がすため、ちからをふりしぼってじぶんの体を橋にしてなかまをわたしました。
なかまはみんな逃げる事ができましたが、猿の王様はちからつきてつかまってしまい人間の王様のまえにつれてゆかれました。猿の王様は人間の王様に深くあたまを下げてこういいました。
「この罪(つみ)はすべてわたしにあります。ほかのものはわたしの命令に従っただけなのです。わたしの命を王様にさし上げますから、どうか、ほかのものはお許しください。」
人間の王様は、猿の王様のなかまへの気持ちにおおいに感動(かんどう)して、すべてをおゆるしになりました。